竜と少女の最後の願い
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嘘のような話だ。 人間は、竜と共に暮らしていたらしい。 私のおばあちゃんのおばあちゃんが、まだ生まれていないくらい昔のこと。 人間は知識を。竜は力を。 互いの持つもので、互いに支え合って。 それはそれは、平和に暮らしていたらしい。 はた迷惑な話だ。 いつか竜と人間は、仲違いをしてしまったらしい。 人間よりもずっと長くを生きるその竜は、まだそのことを怒っているらしい。 原因なんてものは伝えられておらず、今を生きる私達には結果だけが遺された。 伝えられなかったということは、きっと人間が悪かったのだろう。 薄情な話だ。 人間は竜が居なくなって、最初は困ったみたいだった。 力仕事の殆どを、竜に頼りきっていたから。 でも、なんだかんだで代用品が発明されて。 今では人間だけでも、不自由ない暮らしができている。 どうでもいい話だ。 最近になって、病が流行り始めた。 原因は不明。対処法も不明。何もかも不明。 唯一わかっていることは、感染したら死ぬということ。 より正確に言うならば、死ぬしか手段が無くなること。 知識を売りにしていた人間は、とうとう限界を知った。 馬鹿馬鹿しい話だ。 よく分からないものの原因を、人間はよく分からないものに求めた。 つまりは、私がこれから会う存在。 御伽話の存在に。 __________________ オリジナル小説です。竜と少女がイチャイチャします。 合計19858文字。
嘘のような話だ。
人間は、竜と共に暮らしていたらしい。
私のおばあちゃんのおばあちゃんが、まだ生まれていないくらい昔のこと。
人間は知識を。竜は力を。
互いの持つもので、互いに支え合って。
それはそれは、平和に暮らしていたらしい。
はた迷惑な話だ。
いつか竜と人間は、仲違いをしてしまったらしい。
人間よりもずっと長くを生きるその竜は、まだそのことを怒っているらしい。
原因なんてものは伝えられておらず、今を生きる私達には結果だけが遺された。
伝えられなかったということは、きっと人間が悪かったのだろう。
薄情な話だ。
人間は竜が居なくなって、最初は困ったみたいだった。
力仕事の殆どを、竜に頼りきっていたから。
でも、なんだかんだで代用品が発明されて。
今では人間だけでも、不自由ない暮らしができている。
どうでもいい話だ。
最近になって、病が流行り始めた。
原因は不明。対処法も不明。何もかも不明。
唯一わかっていることは、感染したら死ぬということ。
より正確に言うならば、死ぬしか手段が無くなること。
知識を売りにしていた人間は、とうとう限界を知った。
馬鹿馬鹿しい話だ。
よく分からないものの原因を、人間はよく分からないものに求めた。
つまりは、私がこれから会う存在。
御伽話の存在に。
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オリジナル小説です。竜と少女がイチャイチャします。
合計19858文字。